先日、鳥取県へのショートトリップで出会った「工房このか」。

仕事をしながら山の景色や移り変わりを一望できるロケーションには、改めて自然の素晴らしさを感じることができました。 こちらの作家さんは、木地師と呼ばれる轆轤(ろくろ)を用いて椀や盆などの木工品を製造する職人です。国内のセレクトショップでも取り扱いがあり、女性らしいアイデアと木のぬくもりを感じる繊細な作品たちに、ついつい見とれてしまいます。

 

一つの作品を作るのに、3ヶ月の期間を要するということですが、その理由は、木と会話をしながら作り上げるために必要な時間だから。木は湿気や乾燥によって日々呼吸をします。それを見極めながら作品を作り続けるプロの技には、惚れ惚れするばかりです。

この工房を構え17年を迎えた今、感じていることを聞くと、山の変化という答えが返ってきました。これは、気候変動の問題、鹿やイノシシといった動物が繁殖したことで起こる自然破壊などがありました。木を切る人たちは、切った分だけの苗木を植えて山を守ります。しかし、それを動物たちに破壊されてしまうという話には驚きを隠せませんでしたし、生態系のパワーバランスが崩れているのも事実です。これは、決して動物たちが悪いというわけではなく、人間の生活が豊かになりすぎているからこそ起こっている現状なのです。日本でも昔から受け継がれる地産地消という言葉は、今の時代だからこそもう一度見直す必要があるのでしょう。

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