梨理人(りりじん)は2016年に2名の青年によって台中で設立され、台湾農村で果物生産による大量の廃棄物を目の当たりにしたのをきっかけに、動き始めます。台中后里(こうり)の高接梨(高接ぎ梨)から始まり、伝統農業における廃棄物の焼却や山積みの問題をかえりみて、持続可能な循環型農業モデルの取り組みを進めています。

宝島と言われる台湾では、熱帯、亜熱帯および温帯の果物が栽培されています。生産される果物の種類は30種を超え、毎年豊かな果物を収穫するも、枝の修繕などで使い捨て資材を大量に生み出します。台湾では、今でも毎年10万トン以上の資材が適切に循環利用されていません。これまでは、ほとんどの農民がそれぞれの方法で対応した結果であり、それらが農村の環境に対する悪影響や負担となっていました。

梨理人は「循環・革新」の信念を持ち、果樹を丸ごと活用する方法を探求。持続可能な循環概念を台湾農村で定着させる未来図を見込んで、より高いレベルでの企画力とデザイン力で、農民の皆さんに焼却や廃棄以外の方法を提案します。そして、ビジネスチャンスを創造しつつ廃棄物の利用モデルを変えてゆきます。

ブランド名:梨煙(リエン)

 

「リエン、煙害を農村から離す」

収穫された高接梨の隣には、籠に捨てられた果実袋があり、梨茎やテープ、被覆線(ひふくせん)が混ざっています。それらの果樹袋は、梨が開花から実を結び、収穫されるまでを共にしていました。しかし、梨と離れた途端に役割を失い、待っているのは果樹園の隣で焼却されるか?廃棄されるか?の運命です。梨煙(リエン)というブランドは、そこから生まれました。

梨煙の発想は、これらの廃棄された資源を活用し、価値を生み出すことです。彼らは永続経営の視点から、農民の皆さんが適切に分類した梨茎を購入し、乾燥、防腐処理を経たのち、育成した町内の工芸チームに製作を任せ、雇用も生み出しています。

梨煙シリーズの商品は、接ぎ木の節が残るところに特徴があります。一つ一つの商品にそれぞれのストーリーがあり、とてもユニークです。それだけではありません、制作にも抜かりがなく原料の処理から製作、研磨、オイルステインを塗るところまで丁寧に行います。形が独特なだけでなく、その商品自体も逸品なのです。

彼らの想いが詰まったビデオをご覧ください(中国語です)

[日本語字幕は下にあります]

高接梨は台湾独自の技術で、輸入している梨穂(Pyrus pyrifolia)と台湾産の梨の品種改良によって生まれました。この交配により、亜熱帯地域である台湾でも温帯地方の梨を食べれるようになりました。

しかし、高接梨の生産ではたくさん農業廃棄物を出してしまいます。毎年、梨の畑から出てくる農業廃棄物は2,590トンもあります。ここまで大量に出た農業廃棄物に対して、農民たちは為す術がなかったのです。最後には、、、5,750本の梨の茎が毎年4657.5トンもの二酸化炭素を排出しています。梨理人チームはこの問題点に気が付きました。
そしてこの問題を解決しようと決めたのです。まずは農業廃棄物のリサイクルモデルを立ち上げることから始めました。農民たちからこれらの廃棄物を回収し梨村で土地を借りて現地で分類してもらいます。

[農業廃棄物] - [セントラル回収システム] - [農業廃棄物の分類] - [再利用不可] - [農業廃棄物再利用]

これらのプロセスと再生させた製品による利益は、将来の廃棄物分類と、
それらの循環体制の運営に充てます。

[理念周知]  - [利益25%] - [村に還元]

さらに、私たちは利益を梨村に還元します。環境保護や教育などの資金となるのです。そして、私たちと農民梨村の相互利益になるのです。このように、農業廃棄物のリサイクルモデルを構築し、問題に手を差し伸べる人は多くないのが現状です。同じような想いを抱いている人はなかなかいないのです。だからこそ、我々の考えや理念を通じ、時間を費やしながらこの産業の苦境を乗り越えることができると考えています。環境への負担を環境へのメリットにすること。

台中后里を皮切りに、梨理人は2年間に渡ってあらゆる場所を訪ね研究を重ねました。今度はこのリサイクルモデルを通じ、煙で汚されている梨村の空をもう一度青空へと蘇らせます。
自分のためではなく梨村のためです。
ここに暮らしている皆さんに、安心して高接梨の生産ができるようすべての人たちが笑顔で溢れるよう私達の仲間になってください。一緒に梨村の空を守りましょう。 

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