私自身、今となっては気にかけることもなくなった「レジ袋の有料化」
環境負荷を減らすための一環として2020年7月に施行されたこの取り組みは、4年以上が経過した今、どんな成果を上げてきたのか?
話はさかのぼり、私たちが今のビジネスをスタートさせたのは2019年7月。その少し前、家族でヨーロッパを3週間旅し、現地に住む友人たちと生活を共にすることで、サステナビリティーに対する考えや実情を少しでも知ることができました。その後、日本に帰国してからは様々なリサーチと実践を繰り返すことになります。しかし当時は、考えれば考えるほど欧州と自国とのギャップに、モヤモヤとした感情を抱いたのを今でも覚えています。
そして今日お話しするビニールバッグ(レジ袋)についても、その一例です。法律が施行される以前までは必ずと言うほど持ち帰っていたあの袋。現在の日本国内において、どのような変化が見られたのでしょうか。
私が思うに、日本国内においてレジ袋の消費が多いのは主に食料品を扱う「スーパーマーケット」、そして何を買うにも便利な「コンビニエンスストア」、の2つ。
今回は、ここに着目したいと思います。
[全国スーパーマーケット協会]
協会がアンケート調査を取りまとめて統計、公表しており、全国すべての統計とはいかなくとも、分かりやすく数値化されています。そして、下記の表はその推移を表したものです。
[コンビニエンスストア] *セブンイレブン、ファミリーマート、ローソンの3社比較
残念ながら、レジ袋の辞退率を図式で分かりやすく公表しているのはファミリーマートのみ。
セブンイレブン、ローソンについては数値で確認することはできました。
出典:ファミリーマート(持続可能な資源利用と環境汚染の防止)
セブンイレブン 80%弱
ファミリーマート 76.7%
ローソン 75.9%
このように、スーパーマーケット、コンビニエンスストア共に75%以上の割合でレジ袋を辞退しているという結果が見られました。この数値が高いか?低いか?の意見は分かれるとして、少なくとも10人に8人ぐらいはレジ袋を辞退しているわけですから、有料化される前と比べたら大きな成果があったと言えるでしょう。
ただし、双方の推移を見てわかる通り2021年以降は同じような状態が続いています。私自身も感じていますが、家の近所を歩いていても、まだ買い物帰りのレジ袋を持つ人を多く見かけますので、この数値を更に上げるのは難しいのかも。。
ではなぜ、レジ袋が有料化されても買うのか?さらに調べてみると、こんな回答が目立ちました。
- マイバッグを持っていなかった、マイバッグを忘れた
- 無料で袋をくれる店で買い物をしている
- いつもゴミ箱の内袋に再利用している
仕方のない理由もありますが、辞退率を更に引き上げられない大きな理由は、ここにあるのかも知れませんね。
また、回答の中に「無料で袋をくれる」というのもあります。これについては、レジ袋は一定の条件を満たせば無料で配布することができるからです。
- バイオマス素材が25%以上配合されているもの
- 海洋生分解性プラスチック配合率が100%のもの
- プラスチックのフィルムの厚さが50マイクロメートル以上のもの
[バイオマス素材配合のレジ袋について]
[Plastic bags made of biomass materials]
現在、有料化されているレジ袋は主にバイオマス素材配合が使われており、簡単に言うと石油原料にバイオマス素材を混ぜたものです。確かに二酸化炭素の排出は削減できるのかも知れませんが生分解する素材ではありません。 これに比べて「海洋生分解性プラスチック」は、なんらかの理由で海へ流れ出たとしても海中でも生分解するため、とても優れた素材と言えます。ただ、コスト面を理由に大きく普及されていないのも現状です。
参照(株式会社カネカのHPより)
https://www.kaneka.co.jp/solutions/phbh/
[レジ袋の有料化よって生まれる利益の使い道について]
レジ袋の辞退や有料化になった分、会社にかかるコストは減るため利益は当然増えることになります。そこで、この利益をどこに使っているのか?気になってしまいました。これはとても大切なポイントです!
一例として挙げると
- イオンリテール - 各地域の自治体、または様々な団体への寄付。
- セブンイレブン - 店舗にペットボトル回収器を設置、環境保護を行う団体への寄付。
- ローソン - フードバンクへお米の提供、環境保護を行う団体への寄付。
- COOP - 森林保全活動への寄付。
とても良い活動ですね。たくさんの店舗を持つ企業こそ、その利益は大きいにものになります。ぜひ未来世代に向けて、様々な取り組みを続けて欲しいと思いました。
いかがでしたか?
様々な企業は、この先にある2030年、2050年という未来に向けて、大きな目標を掲げながら前に進んでいいます。「私たちにできること」「大きな企業だからこそできること」この2つが同じ方向に進むことが大切。その先には、きっと良い未来があると私たちは信じています。